看護師の病院選びで失敗しないために|転職前に確認したい10のポイント

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「今の病院を辞めたいけれど、次の病院も同じような環境だったらどうしよう」

「給与や休日は求人票に書いてあるけれど、実際の働きやすさが分からない」

転職を考えている看護師のなかには、このような不安を抱えている方も多いのではないでしょうか。

病院選びでは、給与や知名度だけでなく、看護体制、残業、休日、教育制度など、さまざまな条件を確認する必要があります。

また、同じ病院でも配属される部署によって働き方が大きく異なることがあります。

この記事では、看護師が転職先の病院を選ぶ際に確認したい10のポイントを、求人票の読み方や病院見学での質問例とともに解説します。

最後には、候補の病院を比較できるチェック表も用意しました。

1.病院選びの前に、自分の優先順位を決める

病院を探し始める前に、まず考えたいのが「転職によって何を改善したいのか」ということです。

例えば、次のような希望があるでしょう。

  • 夜勤回数を減らしたい
  • 年収を維持したい
  • 残業が少ない職場で働きたい
  • 急性期医療を学びたい
  • 子育てと仕事を両立したい
  • 長く働ける職場を探したい

これらをすべて満たす病院が見つかるとは限りません。

そこでおすすめなのが、希望条件を「絶対に譲れない条件」と「できれば満たしたい条件」に分ける方法です。

例えば、年収500万円以上、通勤45分以内、夜勤月4回以内を必須条件とし、教育制度や福利厚生を希望条件にする、といった具合です。

最初に優先順位を決めておくと、求人を比較するときに判断がぶれにくくなります。

2.給与は月収ではなく、年収と内訳で比較する

看護師の求人票で最初に目が向きやすいのが給与です。

しかし、「月収35万円」と書かれていても、その金額に夜勤手当や各種手当が含まれている場合があります。

確認したいのは次の項目です。

  • 基本給
  • 夜勤手当の単価と想定回数
  • 賞与の算定基準と支給実績
  • 住宅手当や資格手当
  • 昇給制度
  • 残業代の計算方法

例えば、次の2つの求人を比較してみましょう。

項目A病院B病院
基本給25万円29万円
夜勤手当(月4回)6万円4万円
その他固定手当2万円1万円
月収例33万円34万円
賞与(基本給を基準)年4か月年3か月
想定年収496万円495万円

※架空の比較例です。残業代や変動手当、税金などは考慮していません。

月収ではB病院が高いものの、想定年収ではほぼ同じです。

さらに、基本給は賞与や退職金の計算に影響することもあるため、長期的な収入を考えるうえでも重要です。

求人票の「給与モデル」が自分の経験年数や夜勤回数に当てはまるかも確認しましょう。

3.年間休日と有給休暇の取得状況を確認する

年間休日は、働きやすさを考えるうえで重要な指標です。

ただし、年間休日だけで判断するのはおすすめしません。

確認したいのは以下の点です。

  • 年間休日数
  • 週休2日制と完全週休2日制の違い
  • 有給休暇の平均取得日数
  • 夏季休暇・年末年始休暇の有無
  • 希望休を申請できる日数
  • 連休の取得状況

特に注意したいのが「週休2日制」という表記です。

週休2日制は、必ずしも毎週2日休めることを意味しません。

また、年間休日が多くても、希望休が取りにくい職場では生活との両立が難しくなる場合があります。

病院見学では「希望休は月に何日程度申請できますか?」と質問してみるのもよいでしょう。

4.残業時間だけでなく、前残業も確認する

残業が少ない病院を希望する場合、求人票に記載された月平均残業時間を確認しましょう。

ただし、病院全体の平均値が、そのまま希望する部署の残業時間を表しているとは限りません。

例えば、一般病棟、救急外来、手術室、ICUでは業務内容や繁忙時間が異なります。

また、勤務開始前の情報収集や準備にどれくらい時間がかかるかも気になるところです。

確認したい質問は次のとおりです。

  • 配属予定部署の月平均残業時間は?
  • 勤務開始前の情報収集はどのように行っている?
  • 残業が発生する主な理由は?
  • 残業時間はどのように申請・管理されている?

始業前の業務でも、使用者の指揮命令下で行われるものは労働時間に該当し得ます。

単に「前残業があるか」だけでなく、必要な業務が適切に労働時間として扱われているかを確認することが大切です。

5.看護師の配置と実際の業務負担を調べる

看護師の配置人数は、業務負担を考えるための重要な情報です。

しかし、看護配置の基準だけで働きやすさが決まるわけではありません。

同じ配置基準でも、患者の重症度、入退院件数、看護補助者の配置、病棟の運営方法によって業務量は変わります。

例えば、次のような情報を確認しましょう。

  • 日勤・夜勤それぞれの看護師人数
  • 看護師1人あたりの受け持ち患者数
  • 患者の重症度や医療依存度
  • 看護補助者の配置
  • 入退院や緊急入院の頻度
  • 看護方式(チームナーシング、PNSなど)

特に夜勤では、看護師の人数だけでなく、急変時の応援体制も重要です。

病院見学では「夜勤中に患者さんが急変した場合、どのような応援体制がありますか?」と聞くと、具体的な働き方をイメージしやすくなります。

6.離職率と平均勤続年数を確認する

看護師の離職率や平均勤続年数も、病院選びの参考になります。

離職率が高い場合には、その理由を確認したいところです。

ただし、離職率が高いからといって、必ずしも働きにくい病院とは限りません。

新卒採用が多い病院や、キャリアアップを目的とした転職が多い職場もあります。

反対に、離職率が低くても、自分に合う職場とは限りません。

重要なのは、数字とその背景を一緒に考えることです。

病院が公開していれば、以下の情報を確認しましょう。

  • 看護職員の離職率
  • 平均勤続年数
  • 新卒看護師の定着状況
  • 中途採用者の教育・定着支援

公開されていない場合は、採用担当者に質問してみましょう。

7.教育制度が自分の経験年数に合っているか

教育制度が充実していることは魅力ですが、自分に必要な教育を受けられるかが重要です。

新人看護師と経験10年の看護師では、求める支援が異なります。

例えば、中途採用者なら次の点を確認しましょう。

  • 中途採用者向けのオリエンテーション
  • 配属部署での指導担当者の有無
  • 夜勤開始までの目安
  • 経験のない処置や機器への教育
  • 院内研修への参加方法
  • 認定看護師・専門看護師などの資格取得支援

特に急性期病院へ転職する場合、これまでの経験がどの程度評価されるのか、未経験領域についてどのような教育が受けられるのかを確認しておきたいところです。

8.病院の経営状況と雇用の安定性を確認する

長く働くことを考えるなら、病院の経営状況にも目を向けてみましょう。

病院の運営主体には、自治体、医療法人、社会福祉法人、学校法人などがあります。

ただし、運営主体だけで給与や雇用の安定性を判断することはできません。

確認したいのは、病院の具体的な運営状況です。

例えば、病床数の変更、病棟の再編、診療科の縮小、病院の統合予定などがないかを確認します。

病院の公式サイトに掲載されている事業報告書や決算資料、自治体の公表資料などが参考になる場合もあります。

また、給与の支給条件や退職金制度についても、採用前に確認しておくと安心です。

9.通勤時間と生活への影響を考える

病院選びでは、通勤時間も軽視できません。

例えば、片道30分の病院と片道60分の病院では、1勤務日あたり往復で1時間の差が生まれます。

月20日勤務なら、通勤時間の差は月20時間です。

さらに看護師の場合、早出や夜勤明けの移動も考慮する必要があります。

確認したいのは次の点です。

  • 自宅から病院までの所要時間
  • 夜勤明けに利用できる交通手段
  • 始業時間に間に合う電車やバスの本数
  • 車通勤や駐車場の利用条件
  • 悪天候時の通勤手段

地図上の距離だけでなく、実際の勤務時間に合わせて移動経路を調べることをおすすめします。

10.病院見学で職場の雰囲気を確認する

求人票や公式サイトだけでは、職場の雰囲気を十分に把握することは難しいものです。

可能であれば、応募前や選考中に病院見学を申し込みましょう。

見学時には、次の点に注目してみてください。

  • スタッフ同士のコミュニケーション
  • 看護師長や指導者の説明
  • ナースステーションの環境
  • スタッフの休憩環境
  • 病棟内の整理整頓
  • 質問に対する回答の具体性

ただし、短時間の見学だけで職場全体を判断することはできません。

忙しい時間帯に訪問した場合、一時的に慌ただしい様子が見られることもあります。

印象だけで決めるのではなく、求人票や公開情報と組み合わせて判断しましょう。

病院見学で聞いておきたい質問10選

見学時には、次の質問を準備しておくと役立ちます。

  1. 日勤・夜勤の看護師配置は何人ですか?
  2. 受け持ち患者数はどのくらいですか?
  3. 月平均の残業時間はどの程度ですか?
  4. 勤務開始前の情報収集はどのように行いますか?
  5. 有給休暇はどのくらい取得されていますか?
  6. 中途採用者への教育はどのように行われますか?
  7. 夜勤開始までの目安はどのくらいですか?
  8. 配属後に部署異動を希望することはできますか?

すべてを一度に質問する必要はありません。

自分が重視する項目を中心に、見学や面接の機会を活用しましょう。

【保存版】看護師の病院比較チェック表

候補となる病院が複数ある場合は、同じ項目で比較すると違いが分かりやすくなります。

比較項目A病院B病院C病院
基本給
想定年収
夜勤回数・手当
年間休日
有給取得状況
月平均残業時間
看護師配置・受け持ち
離職率・勤続年数
中途採用者への教育
通勤時間
病院見学の印象

分からない項目は空欄のままにせず、「未確認」と記載しておきましょう。

また、年収や残業時間は、同じ経験年数・勤務形態・配属部署など、できるだけ条件をそろえて比較することが重要です。

病院の情報はどこで調べる?

病院を比較するときには、複数の情報源を活用しましょう。

病院の公式サイト・採用ページ

給与、勤務形態、教育制度、福利厚生、病院の理念などを確認できます。

医療情報ネット(ナビイ)

厚生労働省の医療情報ネットでは、全国の医療機関を検索できます。病院の基本情報や医療機能を調べる際に役立ちます。

医療情報ネット(ナビイ)|全国の医療機関を検索|厚生労働省
医療情報ネットは厚生労働省・都道府県が運営する全国の病院、診療所、歯科診療所、助産所や全国の薬局を診療科目、診療日、都道府県、市区町村や路線、外国語などで絞り込み、検索することができるサイトです。

ハローワーク・eナースセンターなどの求人情報

求人条件を比較したり、採用に関する情報を確認したりできます。

病院見学・採用担当者への問い合わせ

公開情報だけでは分からない部署ごとの勤務状況や教育体制を確認しましょう。

なお、2024年4月から、求人募集時に明示すべき労働条件に、業務内容や就業場所の変更範囲などが追加されています。

応募する際は、採用直後の条件だけでなく、将来的な異動や業務変更の範囲も確認しておきましょう。

まとめ|自分に合った病院を選ぶために

看護師の病院選びで大切なのは、知名度や給与だけで判断しないことです。

そして実際に働いていて思うことは紹介や内部情報を知る友人や同僚の情報は

頼りになるということです。

求人票に出ている情報だけではどうしてもわからないことは多いです。

実際に働いている人や実際に利用してみて感じることは重要です。

配属や部署によって病棟の雰囲気は違いますので絶対はありませんが

少しでも自分の理想に近づく職場を探すために情報を集めることは大切になると思います。

今回紹介した10のポイントを振り返ります。

  1. 自分の優先順位を決める      →自分を知る
  2. 給与は年収と内訳で比較する    →お金を知る
  3. 年間休日と有給取得状況を確認する →休みを知る
  4. 残業と前残業の実態を調べる    →残務を知る
  5. 看護師の配置と業務負担を確認する →業務を知る
  6. 離職率と平均勤続年数を調べる   →離職率を知る
  7. 自分に合う教育制度か確認する   →教育体制を知る
  8. 病院の経営状況を確認する     →経営状況を知る
  9. 通勤時間と生活への影響を考える  →実際の生活を考える
  10. 病院見学で職場の雰囲気を確かめる →百聞は一見にしかず

すべての条件が理想どおりの病院を探すのは簡単ではありません。

だからこそ、自分が大切にしたい条件を明確にし、複数の病院を同じ基準で比較することが重要です。

転職は、これからの働き方や生活を見直す機会でもあります。

焦って決めるのではなく、納得できる情報を集めながら、自分に合った職場を選んでいきましょう。


参考情報

  • 厚生労働省「医療情報ネット(ナビイ)」
  • 厚生労働省「令和6年4月より、募集時等に明示すべき事項が追加されます」
  • 厚生労働省「令和6年4月から労働条件明示のルールが改正されます」

※本記事は一般的な病院選びの情報をまとめたものです。募集条件や制度は病院・雇用形態・時期によって異なります。応募時には最新の求人情報や労働条件通知書をご確認ください。

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